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(軸受材)として、リグナムバイタ、合成ゴム、合成樹脂などが使用される
?リグナムバイタ軸受
リグナムバイタは熱帯地方に成育する自然木で自己潤滑性に優れた軸受材であるリグナムバイタは海水に侵漬すると膨潤するので、装てん時、長手方向(軸方向)の伸びしろを軸受全長の1%程度見込む必要がある。3・21図に示すように、リグナムバイタ片の円周方向の分割数は1片の幅の寸法を考慮して半円周で奇数とし、垂直直下で合わせ目にならないようにする。また上半分の軸受面は板目、下半分は変形がきわめてすくない木口面とするようにリグナムバイタ片を使用する。軸受の長手方向は千鳥形状になるように配列するのが望ましい。軸受面に設ける長手方向の海水冷却みぞの断面形状は、摩耗により通過面積の急激な減少をさけるためUV形状を採用する。
また、船尾管内へは積極的に注水する必要がある。リグナムバイタ軸受の軸受部のすきまに対する許容値は船舶機関規則により規定されている。

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3・21図 リグナムバイタの取付要領

?ゴム軸受
ゴム軸受の構造はリグナムバイタ軸受と構造的に同じであるが、リグナムバイタの代わりに特殊合成ゴムを用いたもので、近年海水潤滑軸受材として普及してきた。ゴム軸受は青銅製ブッシュあるいは軽量、耐蝕およびゴムとの接着性がよいことから、硬化ブラスチックのブッシュに特殊な接着剤を使用して、ゴムを強固に加硫接着したものを船尾管本体に圧入するゴム軸受に使用される合成ゴムの種類として、耐摩耗性、耐水性、耐油性などを考慮した、NBR(アクリル系)、CR(クロロプレン系)などがある
ゴム軸受の構造には、フルモールドタイプとセグメンタルタイプの2種類がある3・22図に示すようにフルモールドタイプは軸方向に平行に設けた数本の海水冷却

 

 

 

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